講演会「情報活用能力を育成する授業」

聖心女子大学名誉教授 永野和男 様

情報活用能力の原点
・情報教育のねらいは、「情報活用能力の育成」(情報活用の実践力、情報の科学的な理解、情報社会に参画する態度)と規定。
・情報を見抜く目、情報を処理する知恵、情報を扱う心を全ての国民に身につけることが大事。

情報を見抜く目
・1つの情報だけにたよった判断をしない。
・複数の情報にあたる。
・さまざまなデータの処理方法を知る。

情報を処理する知恵
・必要なときに的確に情報メディアを活用する。
・情報社会での自分の活かし方を考える。ー機械任せにできることと、人間が判断すべき事を区別する

これから求められる情報活用能力
・情報機器やネットワークの普及によって、活用できる道具が多様になった。
・AIのように、自動解決はするが、そのメカニズムが見えない情報技術が日常に普及している。
・現実とバーチャルが区別できなく、情報の信憑性に対する判断ができにくい。

新しい学習指導要領では
・各学校においては、児童の発達の段階を考慮し、
 言語能力
 情報活用能力
 問題発見・解決能力等の と書き加えられた。
・主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善と情報活用能力の育成は密接に関係している

教科書には明示してなくても
・情報活用能力などの問題発見・解決能力等の学習の基盤となる資質・能力を育成 を図る必要がある。

教科で期待される学習活動
・課題について、構想を立て実践し、評価・改善する
・互いの考えを伝え合い、自らの考えや集団の考えを発展させる

主体的・対話的で深い学びと情報活用能力
・主体的な課題意識
・試行錯誤
・自己による評価

情報活用能力育成モデルカリキュラム
・検索すると出てくる。視点別にまとめられているので、参考にしてみては

カリキュラムとしてどの順に達成するか
・体験、経験、技能    → 技術・場面適用
・経験、知識、構造的理解 → 思考力・判断力
・経験、疑似体験     → (人、社会の理解)態度形成

情報活用能力の育成
・実際の課題を受け取り、分析・処理し、編集・加工して、伝達・発信していくことの繰り返し
・このような能力を育成できる場面を教師が考え、構築する。
・学年が高くなれば、情報処理のプロセスを意識化させ、メタ認知させる。
・情報発信の影響、個人の責任を自覚させる。

問題解決型学習の注意
・課題意識を持った取り組み
・裏にある、知識や技術を(教員は)意識
・子どもの手足(頭)を働かせる
・自己による評価

情報活用能力の評価をどうするか
・情報活用能力がついたがどうかは、実際に情報を活用させる場面でなければ、測れない。

情報活用の評価の方法の例
・ディベートの資料作成 「ご飯とパン、朝食としてはどっちが健康的か?」
・重要なのは、試験中、GIGA端末を使っていいこととすること

情報活用能力の育成をどう適切に教育現場に浸透させるか
・実際に情報を活用させる場面でなければ測れない
・近い将来:大学入試や試験に活用